高強度身体活動とは何か?

How Many Minutes Per Week Should You Exercise?

Photo credit: Welltech

高強度身体活動とは何か?

日々わずか数分間の「高強度身体活動」と呼ばれる運動を行うことで、死亡率の低下につながる可能性があるという。人々は加齢に伴い、勢いのある活動のペースが落ちるか又は安全性を考慮して無理をしない傾向がある。近年、非常に短い時間でも運動の強度を上げることで、長期的な健康状態を大幅に改善し、寿命を延ばすことさえできるとの研究結果がある。

2026年3月29日に12人の医師がEuropean Heart Journal(EHJ)に共同掲載した最近の研究によると、本格的な運動習慣のない人々を対象に調査が行われた研究結果は、1日わずか数分程度の強度の高い活動を毎日行う人々は、慢性疾患や死亡のリスクが大幅に低下することが判明した。研究の対象者は英国バイオバンクの参加者96,408人であり、その中の56.3%は女性である。これらの参加者の平均年齢は61.9歳である。対象者は、主要な心血管イベント、心房細動、2型糖尿病、免疫介在性炎症性疾患、代謝機能障害関連の脂肪性肝疾患、慢性呼吸器疾患、慢性腎臓病、認知症という8つの慢性疾患の発生、および全死因死亡が検討された。この研究は、身体活動の量および強度、心血管疾患および非心血管疾患である慢性疾患のリスクを観察したものである。

この研究では、高強度身体活動(VPA:Vigorous Physical Activity)の割合が高い場合、これら8つの主要な慢性疾患および全死因死亡率と逆相関関係がある事が判明した。身体活動の強度は、総身体活動量よりも一貫して高い予防効果を示した。これらの知見は、非感染性疾患の予防を目的とした臨床的および公衆衛生上の介入において、可能な限り高強度の身体活動を優先すべきであることを裏付けている。つまり、体を動かす「頻度」と同じくらい、その「動かし方」が重要であることを示している。つまり、短時間の高強度な活動は、一般的および訓練プログラムの運動と比較して、短時間の「強度の高い活動」を日課に取り入れた場合、健康度を高め、死亡率を下げる可能性がある事を示しているという。

2022年10月27日に公開されたEHJの研究結果を引用した国立衛生研究所(NIH)は、VPAの運動を日々何分行うかについて「週15~20分」は、死亡率16~40%の低下と関連していると述べており「週50~57分まで実施時間を増やすことで、さらなる低下が認められた。これらの知見は、週を通して短時間のVPAを積み重ねるという比較的わずかな量であっても、健康リスクの低減が期待できることを示唆している」と述べている。つまり、日々最低3分から最大8分のVPAを実施することで大幅に健康向上を可能にするという。

具体的にはどのような運動が高強度身体活動(VPA)と言えるのだろうか?University Hospitalsが伝えているところによると、日々の生活に、短時間の激しい運動を取り入れるためには1日に数回、数秒から数分程度の高強度の運動に組み込むことである。それは心拍数を上げることがポイントである。それらの努力には(1)階段を2階分以上駆け上がってみる。(2)駐車場からオフィスへ向かう時、犬の散歩や公園の散策をする時など、いつもの歩行に短いダッシュ(素早い足の動きを意味し、脚の瞬発力を鍛えるための短距離走)に組み込む。(3)デスクワークの合間に、全身運動となる飛び上がりやその場でのジョギングを少し行ってみる。(4)庭で子供や孫と短時間でも活発に体を動かす事が含まれる。

これらを行う前に(a)軽い体操や足踏み、動的ストレッチを取り入れた5〜10分間の動的ウォーミングアップから始める。(b)続いて、10〜30秒間、あるいは1〜2分間、全力で激しい運動を行う。 その高強度運動の後に1〜2分間の軽い運動や休息を挟むことである。(c) さらに同様の激しい運動と回復のサイクルを繰り返えす。( d)最後に5〜10分間体を休め、筋肉をほぐして心拍数を平常時の状態に戻す。短時間の激しい運動の「メリットとは心臓、肺、筋肉の能力を通常のレベル以上に引き出すため、持久力や筋力の向上につながる。また、運動中に消費されるカロリーに加え、代謝が高まることで、運動後も継続的にカロリーが消費される。更に、エンドルフィンの分泌が促され、気分も高揚する」という。

要するに、単にのんびり歩く運動に、心拍数が上がり、代謝、心肺機能、回復力や耐久力の向上を促す運動を追加する事が要点である。その追加運動には、数分間坂道の上り下り、階段を登るなどが含まれる。その数分後に呼吸を整えて回復し、また同じ動作を繰り返す事である。一般的に、多くの人々は加齢に伴い、VPAを敬遠する傾向があるが、それを完全に避ける場合、筋肉量、体力、そして心肺機能は失われてい身体機能の低下を早めてしまう可能性も高くなるという。そうなると、バランス能力や自立した生活、そして生活の質にも悪影響を及ぼすことになる。VPAの最大のメリットは長時間行う必要がなく、日々数分間持続することで、健康な全ての年齢層の人々は高い運動強度に耐えうる能力を向上させ、老化の影響を食い止める助けになるというのがVPAの主要点である。

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