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リコンストラクションと呼ばれていた19世紀の残りの再建期に、米国の歴史を綴った政治的状況はどのようなものだったでしょうか?良く歴史は繰り返すと言われますが、現在、米国は再建期の頃の時代に逆戻りしているような側面もあると感じています。
再建期は単に奴隷制を終わらせただけではありませんでした。いくつかの進展は見られたものの、南部では黒人にとって否定的な経験をもたらすことも少なくありませんでした。合衆国憲法修正第13条は奴隷制を廃止しました。修正第14条は、合衆国内で出生または帰化したすべての人に市民権と平等の権利を付与しました。そして修正第15条は、黒人男性に投票権を与えました。しかし、南部の白人の多くは人種平等の考えを受け入れませんでした。白人至上主義団体であるクー・クラックス・クラン(KKK)は、元奴隷たちの法的・政治的権利を否定させるべく彼らを威嚇しました。彼らは黒人による投票や市民権の行使を妨げるために、黒人に対して恐怖を植え付けるような暴力を振るいました。1890年代に入ると、正当な理由もなく黒人に対してリンチを加える白人の暴徒も現れました。
こうした黒人に対する白人の態度は分離主義を招き、元奴隷を支配する絶対的な権限を白人に与える「ジム・クロウ法」を生み出しました。その結果、公共施設などでは二つの人種が分離される傾向が強まりました。 19世紀後半の公民権をめぐるいくつかの訴訟において、米国最高裁判所は、人種、皮膚の色、あるいはかつての隷属状態にかかわらず、権利を制限したり平等の保護を否定したりする法律を州政府が制定することは、修正第14条によって禁じられているとの判断を下しました。しかし、1896年の「プレッシー対ファーガソン事件」において、最高裁は、修正第14条は政治的な平等にのみ適用されると判断し、それまでの決定を支持しました。裁判所は、施設を分離することは黒人から平等の権利を奪うことにはならないとの判決を下したのです。このseparate but equal(分離すれども平等)という原則は、その後半世紀以上にわたって存続することとなりました。1868年7月9日に批准された合衆国憲法修正第14条は、人種、国籍、社会的地位に関係なく、以前奴隷とされていた人々を含めて、合衆国内で出生または帰化したすべての人に「法の下の平等な保護」を保障し、権利章典の規定を各州にも適用するものとしました。
ご承知のように、ドナルド・トランプ大統領は、二期目就任直後2025年1月20日午後、大統領令によって、この憲法で保障されている生誕市民権の見直しを行うよう大統領令を行使しました。それから約一年半年が経過した後の2026年6月30日、米国最高裁はこの大統領令は憲法修正第14条に違反すると判定しました。しかし、最高裁の判定から約一週間後、この判定に失望したとされる大統領は最高裁に再度審理を行うよう求めています。最高裁への再審理請求自体は不法ではありませんが、実際に再審理が行われることはほとんどなく、1944年に一度過去に判決が下された案件で再審理が行われた裁判記録はあります。トランプ氏は8日、ソーシャル・メディアでの投稿で、「もし彼らがこの全くもって常軌を逸した決定を覆さなければ、この司法の誤りはアメリカを破滅させるだろう」と述べました。生誕市民権を否定することは合衆国憲法修正第14条を否定することに等しいものですから、かなり理論的な論議でどのように「アメリカを破滅させる」のかを説得する必要があると思います。
生誕市民権を廃止するには憲法改正が必要です。どのような憲法改正も、米国議会の両院でそれぞれ2/3(下院議会では435人中290、上院では100人中67)の議員らが同意し、50州中34州が同意し、憲法修正条項の批准には、州議会または州憲法制定会議において、全州の4分の3(50州中38州)による賛成票が必要 となります。これは、簡単な事ではありません。150年以上健全であった合衆国憲法修正第14条が拒否されることは、南部の白人の多くは人種平等の考えを受け入れなかった再建期の前の時代に逆戻りするような状況になるかもしれません。社会的には平等の権利の観念がぐらつき、人種差別が顕著になる再建期の過去に戻る道を開くことになると思います。既に、ルイジアナ州の2024年連邦議会選挙区割図に関連する最高裁の4月29日の判定は、投票権の弱体化となる保守派州の強引なジェリーマンダリングにより、南部の黒人地域で、黒人の投票を困難なものにしています。
このような状況も全ての人々に対する平等の権利とは逆の方向に進んでいることを意味します。両親がどのような移民の地位でも、米国で生まれ、長年米国に住み、労働し、税金を支払っている人々は米国以外の国に住む場所はありません。そのような人々は、引き続き生誕市民権を保持するべきであると最高裁の最近の判定は示唆しました。そうでない場合、大幅に連邦政府の歳入が減少するという局面で、米国の経済は大幅に打撃を受けるでしょう。国土安全保障省(DHS)によると、2026年1月20日の時点で、当局は675,000以上の不法滞在者を強制送還し、推定220万人が自主的に出国した結果、300万人以上の不法滞在者が出国しました。しかし、現政権の不法移民に対する攻撃的な取締り中に、米国市民や合法的移民がICEによって銃殺されている件数が増加しているような状況は、近年の民主党大統領下の政権とは大幅に異なっています。そして、現在もICEによる過激な取締りの勢いは衰えていません。最悪にも7月7日、ICEの取締り中、標的ではなかったとされる合法的に在住していたメキシコ国籍の男性がテキサス州のヒューストンで交通停止の際に銃殺されました。射殺の理由についてICEの主張はミネアポリスで米国市民の女性レネー・グッドを射殺した後の主張と非常に似ており、それは同乗者の証言と相違があるようです。ある意味で非人道的に見える現政権の移民政策も、黒人に対して、一部非人道的であった再建期の時代を彷彿させるものがあります。