トランプ大統領が6月24日に署名を拒否した超党派の「21世紀の住宅への道」の法案は今日7月10日に法律として制定されました。拒否権を発動することもなく、2週間以上も署名しない場合、それは自然に法律になるため、議会のメンバー達は、非常に静かでした。しかし、この記事はそれが主な課題ではなく、高齢に伴う問題が頻繁に浮上し始めたことについてです。
トランプ大統領が大統領としてやるべきことを放棄した場合、法規定は容赦無く、圧倒的支持で可決した法案が成立するという事実を議会は沈黙で明白に示しました。大統領はそのような結果になることを理解していたはずですが、怒りやフラストレーションが続いている可能性があるかもしれません。何しろ、生誕市民権を廃止するための大統領令が米国最高裁によって無効にされたことを受けて、それを再度審理するよう望んでいるようです。加えて、連邦選挙の有権者登録を行う際、個人に対し、米国市民であることを証明する書類の提示を義務化するSAVE法案を議会が可決することを求めているため、引き続き、政治ゲームを演じている可能性もあるかもしれません。しかし、無視できないことは、80歳という高齢の大統領の職務能力に対する疑問の提起です。ここ数日、メディアは大統領の驚きの発言に注目し、その場面をビデオで何回か紹介していることです。それは、NATOサミット中におきました。
7月8日、トルコのアンカラで開催されたNATOサミットの合間でのイベントでの一部で、トランプ氏はウクライナ大統領ヴォロディミール・ゼレンスキー氏と会談している時、記者団に対して、左側に座っていたゼレンスキー大統領の方向に腕を伸ばしながら、「プーチン大統領に質問がありますか?」と大統領の名前を呼び間違えました。その後、言い間違いを取り繕おうとする様子も見られましたが、記者団は一瞬無言でした。また、トランプ大統領は間違って、「日本イスラム共和国」が米国の航空母艦を爆撃したと述べました。「我々は世界で最も美しい空母の一つ、そして最大級の空母であるエイブラハム・リンカーンを保有しています。そして数ヶ月前、昨日もこの話をしましたが、日本イスラム共和国から111発のミサイルが発射されたのです」と語りました。これは「イラン・イスラム共和国」を意味していたことは間違いありません。これらの失言は、ゼレンスキー氏と並んで座って行われた記者会見で起きた複数の例の中で、最も注目されたエピソードでした。
トランプ大統領は6月14日に80歳の誕生日を迎えたばかりですが、2024年の大統領選では、トランプ氏との討論会で、風邪を引いて、エネルギーがなかったジョー・バーデン大統領は高齢すぎて、認知症などの懸念もあるとして、民主党の指導者や著名な寄付者はバイデン氏を選挙から離脱させました。現在同じ懸念が起きています。トランプ氏は、世界の舞台において「支離滅裂で常軌を逸し、混乱した振る舞いは、我が国にとっての恥辱であった」と上院少数派リーダーの民主党議員チャック・シューマー氏がコメントしました。NATOサミットによる世界の舞台で起きたトランプ氏の失言に関連するエピソードはソーシャル・メディア上で、「認知機能の低下」、大統領としての「公職を務める適格性」が再度論じられているようです。
しかし、トランプ氏の発言が支離滅裂であったり、要領を得ないものになったりする場面が度々見られたのは2024年10月も同様でした。あるイベントではステージ上で音楽に合わせて40分近く無言のまま体を揺らし続けるといった出来事もあり、認知機能の低下を懸念する声が上がっていました。当時、臨床心理士ベン・マイカリス博士はPBSとのインタビューでこのような懸念について論じたこともあります。トランプ氏が大統領選に勝利すれば、史上最高齢で選出された大統領になるとの声もありました。個人差はありますが、80歳という年齢は、支離滅裂な言動や認知症の疑惑などが提起されても不思議ではありません。そして、最近目立っているのは、トランプ氏の公的な場での居眠りが頻繁にあるということです。政権官僚との会合でも、トランプ氏は目を瞑り、数秒又は数分眠っていたかと思うと目を開け、再度目を閉じるなど、かなりの睡眠不足ではないかと思わせることが度々あります。
また、国や人物の名前を突然忘れるか混同するというだけなら、高齢化の一端として、誰も批判する人はいないと思われますが、政策や方針に関する表現が急激で頻繁に変わることは問題であると思われます。11月の中間選挙前の最も重要な外交政策の一つは対イラン戦争ですが、頻繁に変化するトランプ氏のレトリックは、外交政策において、世界を混沌に陥れる場合もあると思われます。例えば、イランの核やミサイル能力について、ミサイル計画は「壊滅」し、今後開発は不可能であると発表した直後に、イランの野心は依然として深刻かつ継続的な脅威であると警告しました。また、停戦と和平の話においても、「素晴らしい合意」の成立が間近であると述べたり、「停戦は終了した」と突然宣言したり、その態度は頻繁に変わります。イランの指導者達に対しても「狂っている」とか「病的な連中」と呼んだかと思うと、「極めて合理的」で「賢明」であると評することもあります。要するに、イランに関しては、発言が急激に変化し、トランプ氏の姿勢はほとんど一貫していません。ご承知の通り、イランと交渉を行なってきたのは副大統領J.Dヴァンスですが、トランプ氏はヴァンス氏が交渉中に一貫性がなく、矛盾する発言をしてきました。イランが合意に違反した場合の今後の対応や、協議継続の展望について、トランプ氏とヴァンス氏の間で相反する見解があるとメディアは報じたこともありました。大統領として、何をすべきか、何を言うべきか? 一般的に、このような判断力が衰えていない場合、議会にとって拒否権を簡単に克服できるだけでなく、米国民のための稀な超党派の法案「21世紀の住宅への道」に躊躇することなく、署名したでしょう。可決する可能性がない法案を議会が採決するまで署名しないというような駆け引きをすることなく、議会が可決した法案には全て署名又は拒否権を発動することが大統領の職務の一部なのです。