
Photo credit : The Gonzales Inquirer
近年、全米のほぼ全てのアメリカ人をターゲットにした詐欺事件が急増しています。テキスト・メッセージによる詐欺は特に顕著です。永住権者として、領事館に在留届を行っている日本人には、定期的に警告メールが送信されますので、何が起きているかを理解しているはずですが、一般的なアメリカ人は、落とし穴にはまりやすい可能性が十分あると言えるほど、巧みなテキスト戦略による複数のタイプの詐欺が横行しています。
何が巧みかと言うと、公的機関から送られているという印象を与えていることです。利用される公的機関は、郵便局または配送センター、運転免許事務所、裁判所などです。ほぼ全てのアメリカ人がターゲットにされているため、夫と私は昨年、曖昧ではあるものの郵便局からの連絡であると主張するテキスト・メッセージを頻繁に受けました。比較的長いメッセージの内容を正確に覚えていませんが、それは、荷物が配送センターに届いているものの、住所の一部に誤りがあり、確認できないため配達不可能であるとするもので、郵送物を受け取るために、ここをクリックしてくださいとする一部郵便局を示唆する怪しげなURLが表示されたものでした。そのURLをクリックすると個人および財務情報が盗まれる可能性が高くなることを意味します。
オンラインでは何も注文していない時に限り、そのようなメッセージを受けていましたので、スキャム報告が伴う除去手段を利用していました。配達を待っているなど、何らかの偶然性がある人は、慌ててしまう場合もあるでしょう。その手口にはまりやすい、危険で巧妙なメッセージに動揺する可能性があるかもしれません。郵便物に関連する詐欺は、逆のケースも考えられます。郵送した郵便物が、住所不確定により、郵送できなかったとする詐欺メッセージがないとは言えません。従って、郵送する前に宛先を記載した箇所を必ず写真撮影するよう提案します。特に、小切手を輸送する場合、郵便物を盗む事件は、ここ数年増加しています。この課題については、今年6月17日に掲載いたしましたので、再度ここでは述べませんが、全く油断もすきもないほど、我々は危険な時代に生きています。
そして、今年早期、連続的に受けたテキスト・メッセージは、運転違反による罰金を支払っていないので、裁判所に出頭するよう促すものでした。この詐欺メッセージは、ドライバー・ライセンスを保持していない人、運転をやめた人も無関係にランダムに送られます。スピード違反や信号無視などの交通違反を犯した瞬間に、偶々パトロール中の警察官が密かに待機していた場合、警察がその現場で罰金書類を直接本人に渡すか、あるいは監視カメラにナンバープレートが記録された場合、書類が郵送されるはずであるため、裁判所への出頭命令は、不自然です。しかし、そのメッセージには、ケース番号、実在すると思われるような裁判所名、判事名、受理した日から翌日に当たる出頭月日・時間が記載されており、これは如何にも真実の通知書であるように見えます。しかし、法学部卒の夫は、経験上、裁判所名や判事名も偽物であることをすぐに見破りました。世帯の夫婦がメールおよび携帯で、同時に同じ書類を受理すると言うのも、妙な話です。その指定された裁判所に出かける必要はないことを完全に理解しているため無視しました。しかし、翌日、2日後に裁判所に出頭するよう再度同じ書類が送られてきました。宛名、罰金の金額も記載されていなかったので、詐欺メッセージであると気付く可能性もありますが、一般的に、裁判所通知のパターンを知らない人には混乱を招くでしょう。また、何らかの交通違反の見覚えがある場合、この手の詐欺に騙されてしまう可能性は高くなると思います。
裁判所を利用するこの手の詐欺は、昨年までは見られなかった新たな戦略と思われます。しかし、交通違反を犯したものの、何の書類も受理していない個人は迂闊に、実際には裁判所ではない場所に出かける危険性があるかもしれません。郵便局からであると主張する虚偽メッセージ、裁判所を利用する詐欺メッセージも宛名が記載されていないという点が偽物であることを示唆する共通した落ち度です。実際の裁判所での手続きに翌日を指定するケースはほとんどありません。以前、銀行名や口座番号情報を引き出す詐欺が長年横行していましたが、最近の詐欺メールやテキスト・メッセージは非常に巧みになっています。しかし、近年の高度な通信技術を利用したこれらの詐欺に比較すると、SNSやインターネットなどを通して「短期間で多額の報酬を得られる」などの甘い誘い文句で「捨て駒」となる加担者を募っている悪質な事件が注目されています。
日本の外務省はこれを「闇バイト」と呼んでおり、この詐欺の手口に巻き込まれる悲惨な詐欺事件も警告しています。日本外務省から領事館を通して4月末に電子メールに送信された「特殊詐欺や大麻を含む違法薬物の密輸に関する注意喚起」によると、「海外で闇バイトに応募し、犯罪組織等に『かけ子』として海外で特殊詐欺に加担させられるケースや、意図せず違法薬物の運び屋として犯罪に加担してしまい、その結果、現地警察に拘束又は保護される事案が引き続き発生している」と言うものです。これは、海外雇用に関連する広告に騙される人々が陥る危険な罠です。雇用されると、パスポートやスマホを取り上げられ、犯罪組織の拠点から長期間逃げ出せない状態になるケースも多いと言います。また、「違法薬物の密輸は、それが意図的であるか否かにかかわらず、所持しているだけでも、国によっては死刑や終身刑といった極刑が科せられます。」日本では「国内法上、海外での違法薬物所持であっても国外犯規定が適用され、処罰の対象となる」ため、特に未成年や仕事探しに余念のない若い人々が、とんでもない罠にハマらないよう、地域社会は、定期的に彼らを保護するためのプログラムを促進する必要があると思います。