バイデン政権の司法省は、多数の見識のある人々が懐疑的になるか又は懸念している幾つかの不可解な活動に従事している。その最初の例は、2016年のロシア関連の調査を推進した特別捜査官(検察官)ロバート. ミュラーによる調査報告に関して、当時トランプ政権の司法長官ウィリアム. バァーが率いる司法省の二人の高官によって作成された機密メモを完全に公開するという連邦判事の命令に対して、バイデン政権の司法省は先月下旬に上訴した。加えて、ここ数日、メリック.ガーランドの司法省は、トランプのレイプ訴訟ケースでも、その訴訟に対抗し、バァー司法長官の立場を維持したままである。
ジャーナリストE.ジーン.キャロルは1990年代半ばに、トランプが彼女をレイプしたとして、2019年にトランプを名誉棄損で州裁判所に訴えた。トランプに指名された当時の司法長官ウイリアム.バァーは、州の裁判官がトランプの訴訟停止の試みを拒否した後に、訴訟を連邦裁判所に移送した。トランプは2019年に告訴された時、キャロルによるレイプの主張を否定し、彼女に「会ったことがない。私のタイプではない」と言った。当時、2020年再選キャンペーンの真っ最中であったトランプは、就任中の大統領を告訴することはできないとする司法省の規定によって保護されていたが、現在の司法省も一市民になったトランプに対するキャロルの名誉毀損による訴訟をブロックしている。
2016年大統領選に干渉したロシアとトランプ.キャンペーンに対する調査結果に関連する裁判は、政権交代後も引きずっており、複雑性はさらに増加している。現在の司法省は、トランプ前政権の司法省によって残された書類の中で、公開されていなかった「トランプの秘密メモ」と呼ばれる最も機密性が高いとされる文書を公開するよう裁判所に命令されていた。そのメモの一部は現在の司法省によって5月24日夜公開されたが、25日、裁判官はまだ残っている秘密の一部を公開するよう再度命じた。しかし、バイデン政権の司法省は、トランプ政権時代の秘密メモの一部を公開せず保持すると決定し、24日夜同時に上訴した。
当時の司法省下で、2016年の大統領選に干渉したロシアとトランプ.キャンペーンとの間で共謀があったかどうかを2017年5月から2019年 3月まで調査していた特別捜査官ロバート.ミュラーは2019年4月に448ページの彼の調査結果を当時の司法省に提出した。当時、二人目の司法長官であったウイリアム.バァーは2019年4月18日に多数の墨入れ版を一般公開した。バァーはその公開前に、当時副長官であったロッド.ローゼンスタインと並び、記者会見で、トランプ大統領を告訴するための証拠は発見されていないと発表した。しかし、実際には、ミュラー自身がその決定を行わず、司法省が更に調査し、最終的な結論を下すよう要請したものであった。当時、墨入れのないミュラーのオリジナル版の調査結果を受理していないかった議会の民主党はバァーの対応を批判し、疑惑を提起していた。彼らは、トランプが選挙に干渉するためにロシアと共謀し、ミュラーの調査をトランプが妨害しようとしたかどうかを知るため、オリジナルの調査結果を提供するよう求めていた。
5月25日のワシントン.ポストによると、5月初め、米国地方裁判所のエイミー.バーマン.ジャクソン裁判官は、そのメモを読んだこと、そして「トランプが法律に違反していない」という結論の鍵として文書を引用した時、バーは「不誠実である」ことを示したとする痛烈な意見を提供した。ジャクソンは、未公開の秘密部分の公開を命じた。「トランプの秘密メモ」と呼ばれるその文書は、以前の司法省が「トランプ大統領を司法妨害で起訴しないことを正当化するために2019年に使用された主要な内部文書の一部」である。現在の司法省によって5月24日夜に公開されたそのメモの一部は「トランプを犯罪で非難しないという決定が以前の司法省の指導者間の会話の主題であった」ことを示している。そのメモは、当時法律顧問局の責任者であったスティーブン.エンゲルと、ミュラー捜査の監督に密接に関与した当時の上級部門職員であったエドワード.オキャラハンによって書かれたものであり、当時の司法長官であったバァーに宛てられたものである。
問題の鍵を握るその主な秘密メモは、トランプ「大統領を犯罪で非難しない」という司法省の長年の慣行的な理由を除き、ミュラーによって収集された証拠が起訴可能な事件のレベルにまで達していなかったと主張するこれら2人の司法省高官によって2019年3月に書かれた文書である。それは、トランプが大統領でなかったとしても、ミュラーによって集められた証拠は起訴可能なレベルに達していないと主張したものである。しかし、ジャクソン判事は5月25日、司法省のトランプ.メモを議論している彼女の意見に関する秘密の部分がまだ残っているとして、公開するよう命じた。ジャクソン判事はその判定で、メモを取り巻く内部の議論について彼女を誤解させたとしたとして、担当の弁護士を非難した。また、ジャクソンは、バァーの司法省が法的な問題を比較検討するのではなく、「その代わりにミュラーの報告書に対する先制攻撃を企てていた」と結論付けた。しかし、バイデン政権司法省の弁護士は、まだ公開されていない文書の秘密性を維持するため、控訴裁判所に上訴すると述べていた。この文書をめぐる争いは、ワシントンの監視グループである「責任と倫理のための市民」 が提起した訴訟から生じたものであり、その大統領であるノア.ブックバインダーは、上訴する司法省の決定が「法的にそして事実上間違っており、それは、前政権の虐待を乗り越えるための努力を弱体化させます」 と述べた。
秘密のメモに関するアドバイスと決定は、同じ人物によって同時に書かれたものであり、裁判官の要請に従い、そのいずれかは提出されたが、別の一つはまだ、バイデン政権の司法省が提出していない。それだけでなく、トランプがロシアの調査を妨害したかどうかに関するバァー時代のその機密メモを公開しないため戦うと決定し、5月24日遅く上訴した。バイデンに指名されたメリック.ガーランドは司法長官として、その決定権を保持しているが、その決定の理由は、トランプの司法省とは異なる別の動機がある可能性がある。(続)