
2021年11月19日 東部時間13時15分 無罪評決の瞬間 By WDRB
検察官と弁護士の最終答弁は15日に行われ、その後、陪審員のビデオなどの証拠の再確認を含む論議が約三日間行われた。19日金曜日の東部時間13時15分には評決が行われ、カイル・リッテンハウスは全ての罪状に対する無罪が言い渡された。この瞬間に彼は隣に着席していた彼の弁護士コーリー・チラフィシをエモーショナルに抱擁した。この裁判は、幾つかの重要な視点において、アメリカ社会の現実をすべて反映している。ウイスコンシン州の民主党知事及びバイデン大統領は、今日の判決に対する怒りを鎮静させるための声明を公開した。
検察官と弁護士の最終答弁が15日に行われた頃までに、カイルの母親が泣いている様子もカメラが描写した。当時17歳の彼がイリノイ州のアンティアークから2020年8月下旬にウイスコンシンのケノーシャまで簡単に移動できた理由は、カイルの母が自家用車を利用して、彼を現地に送り届けたからである。彼女は、息子が銃器を持って、警察の暴力に反対するブラック・ライブズ・マター(BLM)の活動者による抗議活動が行われている混沌の街に赴くことに全面的に協力していたようである。重大な殺人事件の裁判では、一人を除いてすべての陪審員は白人であったと報告されている。男性5人、女性7人で構成された陪審員による19日の判決で、リッテンハウスは5つの全ての罪状で無罪を言い渡されたことは非常に驚きであった。死亡した36歳のジョセフ・ローゼンバウムと26歳のアンソニー・フーバは武装しておらず、負傷したガイジ・グロスクロイツはリッテンハウスに近づいたときに銃を持っていたが、撃たれた時にリッテンハウスを脅かしていないと証言した。
そのような状況から、当時17歳であったカイルは少なくとも、当地で非合法的な銃器の携帯では有罪になるだろうとの推測は完全に外れた。検察側とカイルの弁護士側の最終弁論があった15日、5つの罪状の中で、違法な銃器の軽罪は既にこの日に却下されていた。両側の論争での絶対的な違いは、弁護士側は、自衛を主張した17歳の子供がこの地域社会を援助することに貢献したと主張した。一方、検察官側は、カイルを「迷った旅人」と呼び、無謀な行動が二人の生命を犠牲にしたと強調したことである。検察官は、喧騒的なケノーシャの路上でリッテンハウスが殺人を犯したと主張し、その夜「誰かを殺した」人物は、この若い被告だけであったとの事実を指摘した。
この約2週間の裁判の結論が浮き彫りにした要点は幾つかある。それは ⑴ 自己防衛は最大の特権であることを示唆した。つまり、街を保護するためであり、自己防衛であると主張するなら、武器を保持していなかった相手に対して砲発し、死亡させた場合でも、それは無罪になるということである。彼は右翼自警団の一人として、ケノーシャの街を歩き回っていたわけであるが、長年、多数の警察官は、自己防衛の為であるとして、黒人を殺害しても、ほとんど無罪になっていることを連想させる。被害者はすべて白人であるが、最近のBLM運動には多数の白人が参加し、これは人種の壁を超えたものである。次に ⑵ 違法な銃器の軽罪は除外されたことから、銃器保持の権利が非常に重視されたことを示唆した。カイルはウイスコンシン州の住民ではない為、処罰できないと判断された可能性がある。更に、⑶ 説明責任が問われないということである。つまり、武装した若者は州外のどこにでも気軽に移動または旅行し、非武装の男性が、彼の銃を奪い、自分や他の人々も殺害するのではないかと恐れた為、砲発した場合、その殺害の説明責任を追う必要はないことを示唆した。
ウイスコンシン州の民主党知事トニー・エバーズは、19日に声明文を公開し、今日の評決には平和的に対処するよう緊急要請したが、説明責任の重要性を示唆した。その声明の中で評決は、アンソニー・フーバーとジョセフ・ローゼンバウムの命を取り戻すこともガイジ・グロスクロイツの怪我を癒すこともできないと述べ、「今日の評決は、ウィスコンシン州のコミュニティが要求し、それに値する公平性、説明責任、正義に向けて取り組むべき現実を変えるものではありません」と書いている。また、憲法修正第1条の権利を行使することを選択する可能性のあるすべての人には、唯一安全かつ平和的にそれを求める事ができるとし、「分裂をまくことを目的としたどのような努力または行動を歓迎しません」と述べた。つまり、銃の権利とは、論争的な殺人事件を巻き起こすことではないことを示唆した。
ジョー・バイデン大統領も、声明文を公開し、「ケノーシャでの評決は多くのアメリカ人に怒りと懸念を抱かせますが、私も含めて、陪審員が発言したことを認めなければなりません。私はアメリカ人を一つにするという約束を実行しました。なぜなら、私たちを団結させるものは私たちを分裂させるものより遥かに偉大であると信じているからです」と述べた。また、法の支配に基づき、平和的に見解を表明することをすべての人に求めます。暴力による財産の破壊は、私たちの民主主義にはありません」と書いている。バイデンは、この判決に怒りのある人々が平和的に、表明するよう呼びかけた。バイデンは、「公共の安全を確保するために必要な援助を提供」するためエバーズ知事の事務所と連絡を取り合っていると書いている。
要するに、殺害された二人および負傷した家族側は、説明責任がないとして怒りを表明したことを知事と大統領は認識している。彼らの怒りは理解できるが、それは平和的に行う必要があると警告している。この裁判は幾つかの公的に語られていない疑問がある。裁判の初期段階のある時点で、裁判官の携帯電話が鳴り響いた時、それは、トランプ前大統領が集会で舞台に近づく時に、バックグランド・ミュージックとして利用されるメロディだったと言われている。また、リッテンハウスは、トランプの集会に参加していたことが2020年8月末に報告された。ブルース・シュレーダー裁判官と被告は政治的に共通点があったかということである。トランプが攻撃していたBLMの抗議活動が行われている中で、警察を支持する17歳の若者は、BLMと警察との対立の可能性があるケノーシャに、なぜ半自動銃ARを持参して参加したのか?