
By Supreme Court
前大統領ドナルド・トランプは23日、最高裁に1月6日の反乱に関連する彼の書類が下院特別委員会に提供されることを阻止するよう要請した。二つの裁判所は、既にトランプの弁護士による訴訟を却下しており、これら二つの裁判所はホワイトハウスの書類を議会に提供するかどうかを決めるのは、現役の大統領であると決定した。トランプ対下院特別委員会の判例は、もはや大統領ではないトランプに行政特権があるかどうか又は三権分立に関連する憲法上の問題である為、最高裁はこの判例を聴聞するかどうかが主要点になる。しかし、大統領の書類の所有権に関連する法律および過去の有名な判例は元大統領の行政特権を弱体化または否定している。
ワシントンDCにある連邦地方裁判所のタニヤ・チュトカン裁判官は、トランプの弁護士の主張を却下する判決を下した。 コロンビア特別区の米国控訴裁判所の3人の裁判官は全員がチュトカン裁判官に同意した。3人の判事を代表したパトリシア・ミレット判事は、元大統領が法的に保護されるには十分ではないとし、彼が主張している特権は絶対的ではないと述べた。しかし、トランプの弁護士は、最高裁への請願書で「元大統領は、任期後も行政特権を主張する権利を持っている。議会は、政治的目的を達成したり、事例研究を進めたりするために、前大統領の秘密の大統領文書をライフル銃で撃つことはできない。」と主張している。
大統領顧問のダナ・レムスは米国アーカイブ当局者デビッド・フェリエロに宛てた2021年10月8日付けの手紙で「議会は私たちの憲法と、それらを保護することを誓った人々によって引き起こされ、扇動された民主主義機関への暴行を検討しており、調査中の行動は、大統領の憲法上の責任の適切な遂行に関する通常の審議を遥かに超えています。行政特権の憲法上の保護は、憲法自体を破壊するための明白な努力を反映する情報を議会や一般市民から隠すために使用されるべきではありません。」と述べており、選挙結果の転覆による反乱を扇動した憲法破壊に関連する事件を調査している委員会が必要とする書類の入手を元大統領が阻止しようとしている事態は、通常の行政特権を主張できる範囲を超えていると述べている。バイデン政権の立場は、トランプが扇動したとされる1月6日の反乱を調査している下院特別委員会の立場を反映していることを示唆している。
最高裁は、大統領の秘密の記録に関連する複数の裁判に関与しており、ニクソン対米国の裁判は最も広範に知られている。ウォーターゲート事件で4,200万ページの文書と880本のテープ録音の機密保持に関して争われたが、テープのアクセスに関する1974年7月24日の合衆国対ニクソンの裁判で、当時8人で構成された最高裁判事は全会一致で、テープに対する行政特権の主張は無効であるとの判決を下した。最高裁は当時の大統領ニクソンに対し、テープを特別検察官に渡すよう命令した。ニクソンは命令に従い、1974年7月30日に召喚されたテープを一般公開したという歴史がある。
加えて、過去の大統領に行政特権があると公的に主張したのはトランプが初めてではない。1978年の大統領記録法(PRA)は、大統領および副大統領の公式記録の法的所有権に関して、すべての大統領記録と副大統領記録を公的所有権として確立した。そのため、大統領の個人的会話記録、メモ、その他の文書記録は、私物化できないのが現実であるため、過去の大統領はそれを管理または支配できないことも含めて、元大統領としての「行政権を行使する能力を制限」している。従って、現職の大統領は、過去の大統領が行政権を行使できるための大統領令を発行した。米国弁護士会組織によると、2001年にジョージW・ブッシュ大統領は、前大統領に現大統領の同意なしに行政特権を主張する能力を与える大統領令を行使した。当時のバラク・オバマ大統領による大統領令は、執行特権に関する決定を現職の大統領に戻した。トランプは、彼が大統領であった期間に、そのような大統領令を行使しなかった為、皮肉な事に彼はオバマの大統領令を無傷のままでホワイトハウスを去った。
トランプに指名され、バイデン政権下で引き続きFBI長官であるクリストファー・レイは、今年1月の米国議事堂を攻撃した暴徒の反乱による前代未聞の事件を国内テロリズムとして分類化し、多数の人々を告訴している。FBIを監視している司法省長官メリック・ガーランドは就任わずか9ヶ月で、司法システムの威厳を取り戻す為の戦いに従事している。トランプを最も保護した側近の一人で、最初の政策顧問スティーブン・バノンは、議会侮辱罪で今後裁判に直面する。J6下院特別委員会はここ数ヶ月間で、ホワイトハウスの大統領補佐官、報道官、司法省の元複数の役人、憲法学者で選挙結果転覆の戦略を指導した法律学者ジョン・イーストマン、議事堂に不法侵入したオース・キーパーズ、プラウド・ボーイズなどの過激派グループ、彼らと接触があったロジャー・ストーン、トランプの最初の国家安全保障顧問マイケル・フリンなど、トランプの選挙詐欺の虚偽キャンペーンを援助した彼の仲間を召喚し、その人数は増加している。
委員会の調査が白熱している中で、トランプの弁護士は、米国控訴裁判所が反乱に関連する書類をブロックする努力を却下した後の14日間以内の23日、米国最高裁に二つの裁判所の判定を覆すよう要請した。米国最高裁がトランプの要請に応じて、公聴すると決定した場合、数ヶ月後にトランプの弁護士と下院特別委員会の弁護側との論議が行われ、最高裁はその後更に数ヶ月後に判定を行う為、特別委員会が書類を入手することは少なくとも半年遅れる可能性があることを意味する。又は、最高裁が即時に二つの裁判所の判定を維持すると決定した場合、ドナルド・トランプ対ベニー・トンプソンの裁判は完全に終わることになる。現在、保守派6人、リベラル派3人で構成される最高裁では、特にトランプに指名された3人の保守派判事が過去の最高裁の判定を無視し、トランプを擁護する可能性があるかどうかが注目の一要素であるが、彼らは、トランプに義理があると感じているような印象はない。